京都の古本屋・本屋・書店・学校、世界文庫。店主、古賀鈴鳴。

食堂。

きょうも新しい1日。



ときどき行く、「 世界文庫 」の近所にある食堂。

昔からある( と、思う )。

とりたてて、なにということもないのですが、その洗練された、 “ ふつう ” に拍手したくなるくらい。好みな。

フーテンの寅さんの映画のセットにでも使われててもおかしくなさそうなくらい、レベルの高い、普通の食堂。

安いし、美味しいし、懐かしい。もう、やさしい。

一歩入って、見ただけでわかるかんじの。




この間。そこで、ひとりで、夕方前に、遅い昼食を食べていました。

いつも、なかなか、お昼時なぞは、混み合っているのですが、変な時間だったためか、先客は私以外にひとり。

そのひとり、30代頭くらいの男性は、もうとっくに食べ終わっている様子で。

お店の常連なのか、顔見知りなのか、お茶を飲みながら、白い割烹着を着た、食堂のおじいさんと、2人並んで、いろいろ話されてました。



私はお茶を飲みながら、お店にあった夕刊を読みながら。会話が聞こえてくるので。

食堂のおじいさん、声でっかいなあ、元気いいなあ、さっきからひとりでしゃべってるなあ、と最初思ってたのですが。

視線の先に2人が座っているので、見るともなく見てみると。

どうやら、そのお客さん、耳と言葉が、ふじゆうだということがわかって、うまくことばが発声できなくて、おじいさんに伝わらない時は、i pad のようなタブレットを使って、文字を打ち込んで、食堂のおじいさんと会話をしているのでした。

その2人のやりとりは、ほとんど、食堂のおじいさんが、「 うんうん。そうか。そうやなあ。へえ、いまはそんなんなってるんや。へえ、えらいなあ 」と、ほぼひとりで、ものすごくでっかい声でしゃべっているのですが。

とても、いい会話だなと思って。

音楽のようだなと思って。

なんとなく、食後に、おまんじゅうを追加で頼んだりしました。



お店の奥の厨房の方では、食堂のおばあさんと娘さんがテレビのお笑い番組を見て笑ってました。私は、本を読んでいました。