世界文庫アカデミー
 

Special issue 10

鼎談 : 世界文庫アカデミー2期生の4人 × 校長・古賀 鈴鳴 中編



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世界文庫アカデミー( 以下、セカアカ )には、毎年、A~Dの、4つのクラスが存在します。
2019年 に卒業した2期生の、「 癒し系のクラス 」として校長・古賀が呼んでいたのが特徴だった、Bクラスの生徒と古賀の5人で、鼎談をしたら、この学校のことや、和気藹々とした雰囲気が、もっと、みなさんにも伝わり。特に今後、入学を考えている方たちにも、参考になるのではないかと思い、ある日の午後、京都の街中に集まってもらいました。

前編から、続きます。


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( 写真 左から : 笑う花、ユキヤナギ商會、古賀鈴鳴、海ドリハンコ店、たびとほん )


新たな、たくさんの繋がり



古賀 じゃあセカアカに通った中で、いっぱいあると思うんですけど、得たことや嬉しかったこと、思い出に残っていることなどを、ひとりひとり教えてください。

ユキ 今まで、ずっとお客さんとして行っているだけだったお店とか、ZINE が置いてあるイヴェントとか、これまでは作る側で参加するというのは、一切考えたことがなかったんですけど。
「 そういうイヴェントに参加してみよう 」って思えるようになったりとか。「 三条富小路書店 」とか、いろんな古本屋さんに「 こういうのを作っているんです 」と見せたらお店の方が買ってくださったりとか。フリーペーパーとかあるなら置くよって言ってくださったりとか。そういう新しい感じで多方面の方と、お付き合いができるようになったことですね。

古賀 あなたは、文章を書いたりの活動がしたかったわけだから、その新たな繋がりは嬉しいね。ひとりのお客さんだったのが、セカアカに通ううちに、作り手側になって。
「 12かげつやさん 」( という実店舗を持たない月イチのお店の活動 )も始まったりとかね。

ユキ もうそれも含めすごくいっぱいあります。

古賀 協力してくれたり一緒に楽しんでくれる仲間もできて。

ユキ はい。わからなかったら、セカアカの仲間にすぐ聞けるっていうのもよかった。パソコンのこととか、めっちゃ苦手なので全然わからなかったんですけど、「 あそこで印刷したらいい 」とかそういうことも色々、セカアカのみんなが教えてくれました。

古賀 特に「 12かげつやさん 」とかは、一緒にやってくれる人がいると、それはまた自分ひとりでやる活動とは違うコラボの楽しみがありましたよね。バンド感っていうかね。

ユキ そうなんです ! めっちゃ心強い。

※「 12かげつやさん 」の1月。「 いちがつやさん 」というギフトがつまった箱を販売。この月は、海ドリハンコ店のお菓子、笑う花のアロマスプレー、ユキヤナギ商會の読み物で、セカアカコラボ。

※「 12かげつやさん 」の1月。「 いちがつやさん 」というギフトがつまった箱を販売。この月は、海ドリハンコ店のお菓子、笑う花のアロマスプレー、ユキヤナギ商會の読み物で、セカアカコラボ。



古賀 「 海ドリ 」さんは、どうですかね?

海ドリ さっきと同じ答えになってしまうんですけど、私もやっぱり、ずっと関係が続いていきそうな仲間がたくさんできたことが、しみじみと一番よかったかなって思います。

古賀 みんなと別れるのが嫌だとか言って、自転車でバス停までずっとついてきたりとか・・・君は、ややストーカーみたいなことまでしてたもんな。笑

海ドリ はい。みんなが好きすぎて。笑 でも、セカアカの時って、みんなと毎週のように会うけど、1年の後半の頃は時間のかかる宿題とかもあって、私はいっぱいいっぱいで「 わー 」ってなってしまうこともあって。でも、卒業してからも、もっと仲良くなっているし。この関係は、ずっと続いていく感じがします、これからも。例えば、どこかへふらっと飲みに行くだけでも、なにもかもがイヴェントにできるやり方を、セカアカでみんな学んだから。

たび うん。なんでも、イヴェントにつながる感じします。

海ドリ みんな、娘とも一緒に、よく遊んでくれるし。連れて行っても嫌な顔とかまったくなくて、喜んで一緒に遊んでくれるし、娘も、別のセカアカ生のお子さんと仲良くなったり、あたらしい繋がりができるっていうか。そういうのもよかったなと思いますね。

古賀 次の3期生とかもさ。同じように小さいお子さんがいて、通おうか迷っているお母さんもいると思うんですけど、逆に子どもも、連れてったら一緒に遊んでくれるんだ・・・というのを知ると、勇気づけられる人もいると思うんだよね。

海ドリ セカアカは本当に懐が深くて、荒井良二先生の授業とかにも一緒に娘も連れて行かせていただいたりしたし。あと、打ち上げの時とかも、子連れで行っても、みんな喜んでくれて、本当に一緒に交流できるし。

※絵本作家の荒井良二先生の野外授業。映画みたいなうつくしい時間と風景の授業が生まれました。

※絵本作家の荒井良二先生の野外授業。映画みたいなうつくしい時間と風景の授業が生まれました。



古賀 校長の私が、率先して、みんなの子どもと遊ぼうとしちゃってるからね。笑 他クラスにも、小さいお子さんがいるお母さん生徒いたよね。

海ドリ はい。セカアカでは、おもしろいママ友もできました。

古賀 むしろ、子ども同士も友達になったりとか、そういうつながりは良いですね。

海ドリ 本当に。いつもとは全然違う感じの、すごく文化的なママ友もできるから良いと思います。


※セカアカの集まりには、生徒のお子さんたちの姿もあって和みます。大人も子供も楽しそうで良い ! 校長・古賀と、講師のSHOWKO先生、岸本千佳先生と、子供たち。

※セカアカの集まりには、生徒のお子さんたちの姿もあって和みます。大人も子供も楽しそうで良い ! 校長・古賀と、講師のSHOWKO先生、岸本千佳先生と、子供たち。




ノーがない。本当、基本イエスで。



古賀 「 笑う花 」さんの、セカアカに通ってよかったことは?

笑う花 もう授業のひとつひとつも、そうなんですけど。

古賀 そうだ、君は、セカアカ皆勤賞なんだっけ?

笑う花 そうなんです。私、全部の授業でれました。しかも全部Bクラスででて。振り替えもせずに全部行ったんですけど。振り替えも各クラス1回ずつくらいはしておけばよかったかな、とは思うんですけど。笑
授業もなんですけど、休日の過ごし方が全然変わったというか。それはセカアカ生がなにかイヴェントをやっているからそれに足を運ぶっていうのもあるし、今まで気になっていたイヴェントがあるけど一人で行くのもなあとか。趣味が違うと誰も誘えなかったようなものにも、セカアカには誘える人がいっぱいいるから。

古賀 また、誘うと、みんな喜んでくれて、いっぱい来てくれるんだよね。笑

※セカアカ2期生の美味しいクリームソーダが飲める喫茶イヴェント。「 春のクリームソーダ祭 」。クラスメイトの主催イヴェントで、楽しそうな「 笑う花 」。

※セカアカ2期生の美味しいクリームソーダが飲める喫茶イヴェント。「 春のクリームソーダ祭 」。クラスメイトの主催イヴェントで、楽しそうな「 笑う花 」。



笑う花 そうですね。笑 だからそれで行けるイヴェントの範囲が広がった、というのもありますね。イヴェントにかぎらずお店とかも。

古賀 さっき「 海ドリ 」さんが言っていたけど。自分のちょっとマニアックな普通は理解されがたい趣味とかさ、別に、みんな全然「 え、おもしろそう ! 」ってのってきてくれるのは、心地いいですよね。セカアカ生は、みんな好奇心があるから。

海ドリ そうなんです、セカアカは、みんな基本イエスで返してくれるから。ノーがない。本当、基本イエスで。

ユキ そうそう。自己肯定感がめっちゃ満たされる。

たび 本当にそれは思う!

一同 ( 笑 )

古賀 まあ、たしかになあ。そういえば当初自信がなくて、セカアカに入ってくる人がね、最初の面談の時とかにね「 楽しいことをやりたいんだけどどうしたいのか・・・どうやってやっていけばいいのかわからないんです 」って。結構多くの人が言ってたんだよね。

海ドリ たしかに、自分も含めクラスメイトが、最初会った時には。なにがあるわけでもない、自信もない人も多いメンバーが集まっていたのに。1年学んだ今は、ひとつひとつ、ひとりひとり、際立っている感じがするし。なんかキャラ立ちしてきたから、セカアカって、本当に不思議、と思う。

たび それはたぶん、みんなに応援してもらっているから、できたことなんだと思う。

海ドリ うん。みんな基本イエスで返してくれるから、どんどんやる気になる。

たび うん、やっていいんだ、みたいに。

古賀 そうなるのをさ、また、みんなが心から喜んでくれている感、あるもんね。

たび もうそれがすごく嬉しいんですよね。

※セカアカの授業風景。写真家の中川正子先生の感動的な回。みんな思わず泣き出していた。愛に包まれた授業。

※セカアカの授業風景。写真家の中川正子先生の感動的な回。みんな思わず泣き出していた。愛に包まれた授業。



海ドリ なんか覚えているよね。一番最初の自己紹介って。

ユキ めっちゃ、みんなおそるおそる・・・めっちゃ震えてて、何も言いたいこと言えてないみたいな。そんな感じで。

海ドリ そうそうそう。みんな緊張で、オエー みたいな感じだったもんね。

古賀 ああ、最初の授業。緊張で吐きそうっていう人は結構いたね。

ユキ それがいまや、みたいな。笑

海ドリ 本当にセカアカの1年で、みんなの個性が際立つ、それぞれのなにかができてきた気がしてて。


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こういう素敵な大人がいるんだよ



古賀 じゃあ、ひとりひとりに聞きたいんですけど、授業で特に印象に残っている先生を・・・まあ、たぶん、みんな、古賀先生って言うかとは思うんですけど。

一同 ( 笑 )

古賀 まあ、それはギャグなんだけどさ。どの授業が残ってますかね。いっぱいあったと思うんですけど。

ユキ はい。もう、いっぱいありすぎてすっごい難しいんですけど・・・「 ソトコト 」編集長の指出一正先生の授業で。本当に色々な形のしあわせというか。「 ローカルヒーロー 」というテーマで、具体例で教えていただいたのが。

古賀 うんうん、それね。みんなそれぞれの・・・都会じゃない町で、言い方を変えると、「 なんにもない 」と思われているような地方の田舎の町で、自分たちでおもしろいことを作って、楽しそうにしている人たち。

ユキ とても、励まされました。

※「 ソトコト 」指出一正先生の授業。じわじわと感動が教室に広がっていく。

※「 ソトコト 」指出一正先生の授業。じわじわと感動が教室に広がっていく。



古賀 あの授業がよかったと。「 たびとほん 」さんは?

たび ひとつの授業をあげるというのは、相当難しいんですが。でも、私も・・・一緒でもいいんですかね。指出先生のなんです。
私は、ずっと言ってるように。本当に東北が好きで、移住したいというか、どう関わっていったらいいのか? というところで、すごく悩んでいる時でもあったので。地域で色々活躍されている方の話を聞けるのはすごく素敵だなと思って。憧れの存在のような人達の紹介をしていただいたことで。「 私もこういうことやりたいな 」っていうのを、やっぱりすごく思いました。
それと、たぶん、指出先生がちらっとこぼされた言葉に、「 みんなもできるんだったら地域おこし協力隊をやってみたらいいよ 」って気軽な感じで言ってらっしゃったのが、そういう軽い気持ちでも、自分で好きな地域に関わりたいっていう気持ちがあるならやってもいいんかな、という。
行く背中を押してもらうきっかけというか。それで、真剣に行ってみようかなって考えるようになって。その、ぽろっとおっしゃった言葉のおかげでした。

古賀 なんか、こっち側がちょっと重く捉えがちなことも、「 いや、みんな来てくれるのが嬉しいんだから 」っていう視点をくださるよね。

たび 考えすぎないでいいんだな、っていうのを気付かせていただきました。

古賀 セカアカでは、「 今後の未来にどこでどうやって暮らすのか? 」っていうのも、わりとみんなの働き方のテーマとしてあったから。指出先生の授業は、そこにスバっとはまってて、感銘受けてた人多かったね。
授業の中で、みんなの顔つきが明らかに変わっていっているのを感じた授業でした。
SHOWKO先生、山フーズ先生、中川正子先生、ワタナベマキ先生、ナカムラクニオ先生、荒井良二先生、chi-ko.先生、服部滋樹先生、岡戸絹枝先生、曽我部恵一先生、ON READING先生、安達薫先生、惣田紗希先生、御菓子丸先生、木村まさし先生、ルーカス先生、いか文庫先生、永原真夏先生・・・いやあ、結局、全部の先生になっちゃうな。全部の授業が、そうで。ゲスト講師で来ていただいた方たちも、そうで。
授業中に、みんなの顔つきが、パッと変わる瞬間というのがあってね。
そういうのは、ずっと私の中に、映像として残ってて覚えているんだよね。

※「 ソトコト 」指出一正先生と授業後に、みんなでごはんに。そういう時間もとても貴重な経験。

※「 ソトコト 」指出一正先生と授業後に、みんなでごはんに。そういう時間もとても貴重な経験。



古賀 「 海ドリ 」さんは?

海ドリ 「 クウネル 」創刊編集長の、岡戸絹枝先生の授業は、なんか本当に、授業もおもしろかったんですけど、先生の姿、すべてがエネルギーをもらえたし、すごくプラスの気持ちにもなりましたし。

古賀 そういう人が、いるんだっていうのがね。そういう方が、ああいう雑誌を作ってらっしゃるのかと・・・実際目の前でお会いして感じると、すごく腑に落ちたりね。

海ドリ そう。ただ、ひたすら楽しかったなあ、って。あの場にいれてよかったなあ、幸せだったなあ、と思う授業でした。

古賀 自分がセカアカを作った目的のひとつに、「 こういう素敵な大人がいるんだよ 」っていうことをみんなに知ってもらいたいな、と思う先生の並びにしています。だから、岡戸先生なんか、まさにそうですよね。
そういう人を、本とかテレビとかだけで知ってるつもりになってるのとね。実際にお会いして、話ししていただく、こちらの夢のお話も聞いていただける時間っていうのはね、もう、素晴らしい体験で。もう、まったく違う次元のことなんだよね。

※「 クウネル 」創刊編集長の岡戸絹枝先生の授業。そのぱあっと明るい人柄に、みんなファンになってしまう先生。

※「 クウネル 」創刊編集長の岡戸絹枝先生の授業。そのぱあっと明るい人柄に、みんなファンになってしまう先生。



海ドリ 本当に、普通に生きてたら、絶対出会えなかっただろうなっていう先生たちに、出会えている。

古賀 講師のみなさん、気さくだよね。

笑う花 すごく。

古賀 世の中的に、とてもすごい方達なんだけど、どの先生もすごく親身に接してくださるよね。

ユキ ですし、しかも、色々な分野の先生がいたのがとてもよかったです。

たび たしかに。偏っていないのが。

ユキ 自分がやりたいことの内容だけで学校を選んだら、自分が関心のある分野の先生がいる学校にしか行かないと思うんですけど。

古賀 ああ、例えば「 先生が、全員編集者だったら? 」みたいに。「 なんか本を作るひとを目指さないといけないのか 」とか思っちゃうけど。うちは、別にそういうことではないよね。
でも、「 編集者的な視点 」っていうのは、実は、なにをやるにも、どんなことにも、きっと、活かされるから。その視点が、自分の中に入ってくる、っていうのがおもしろいですよね。

※いつも優しくて、セカアカ生にも大人気の絵本作家、荒井良二先生。生徒に混じって、楽しそう。

※いつも優しくて、セカアカ生にも大人気の絵本作家、荒井良二先生。生徒に混じって、楽しそう。




感動で、鳥肌がたつ授業



海ドリ どの先生も、本当に良かったから、甲乙つけがたいんですけど。いか文庫先生の授業も、おもしろかったです。

たび 私も。いか文庫先生と指出先生で、どちらを言うか迷いました。

古賀 いか文庫先生も、いいんだよね。職場で別の仕事をされながら、でも、休日には、いか文庫の活動も、仲間とガンガンしているっていうのが。セカアカのみんなが置かれている立場とも近くて。実践している方がいる。それに勇気もいただけるよね。
「 会社員しながら、そんな楽しいことができるのか? 」って。いい意味でショックで、ある意味 PUNK なんだよね。

海ドリ はい。視点がもう、すごくおもしろかったです。最初は、なんのことだろうと思ったけど、そういうのでやっていいんや、みたいな。事例が、おもしろかった。あんな視点は、なかなか誰にも浮かびません。

古賀 エアね。

たび エア大事ですね。

古賀 まずエアをね、みんなに「 あ、そういうのアリなんだ 」っていうので。だから、一番最初の方の授業にしていただいてるんですよ。
( エアとはなんなのか? セカアカに入って確かめてくださいね )

※謎が謎を呼ぶ。いか文庫先生の「 いか文庫グッズ 」。グッズを作って売ってみたい人は大変勉強になる授業。

※謎が謎を呼ぶ。いか文庫先生の「 いか文庫グッズ 」。グッズを作って売ってみたい人は大変勉強になる授業。



古賀 じゃあ、「 笑う花 」さんは?

笑う花 ナカムラクニオ先生の小説を書く、授業と。あとは永原真夏先生の、詩の授業。
そのふたつが、それこそ昔から国語とかが大好きで、絵本とか人生の中でやってみたい気持ちはあるけど、今はマッサージでっていうのでお店をやっているから。
セカアカでは、色々考えて授業に挑んでいたけれど、あのふたつの授業は、感覚で、思い浮かんだ言葉を自由に出していいというか。これもすごい好きなんだって、鳥肌がたったから。

古賀 おお。鳥肌がたつ、っていいね。

笑う花 そうなんです。最初の履歴書にも、「 鳥肌がたつことをやりたい 」って私書いた覚えがあるので、そのふたつの授業の時にたったから、「 あっ! 」と、思いました。

古賀 うん。「 文章を書ける力 」っていうのは、何の仕事をするにも活きてくるし、大事だからね。「 詩心 」のような抽象的な感覚を磨くことも、生きてくいろんな場面で役に立つだろうし。
でも、セカアカ授業では本当、chii – ko. 先生の植物の授業もあったりさ。他にも、御菓子丸先生に和菓子作り教わったりさ。みんなのやりたいことと一見直接関係なさそうなんだけど・・・だけど、実は、みんなの別の感覚のスイッチを押したりすることもあるんじゃないか、と思ってやっているんですよね。
わかりやすくいうと、例えば「 コンピューター・プログラマー 」になりたかったら、そういう専門学校に通えばいい話だと思うんですけど。しかし、セカアカは多様な、色々なことをやりたい人が集まっていることが、おもしろいのであって。
マッサージの先生はいないし、東北のことをやっている先生もいないんだが、だが、役に立つエッセンスがあるというか。
みんなの中に隠されているけれど、まだ押されていない色んなスイッチが押されることがいいんじゃないかって思っていて。色々な授業をやってるということなんですよね。
それに、仕事って、大事なことはどの仕事でも似てるんだよね。
だから、実は、どの授業も有機的につながっているんだ。

笑う花 それは、本当に感じられました。「 あ、以前のあの授業とつながっている気がする 」って。違う先生の、全然違う内容の授業なのに。

古賀 うんうん。きっと、生徒ひとりひとりに聞けば、セカアカのどの先生の授業が一番心に残ったかも、全員見事に違うと思う。だって、前にみんなでバス移動してる時に、多勢の生徒に、ひとりひとり聞いたことあったんだけど、見事にみんな違う先生の名前を挙げていたよね。
それに、いろんな授業で、感動で泣き出す人も多かったね。

※フローリストで、大人気の、chi - ko. 先生。「 生活の中の植物 」というワークショップ授業。この授業で、あらためて植物に開眼した人もたくさん。

※フローリストで、大人気の、chi – ko. 先生。「 生活の中の植物 」というワークショップ授業。この授業で、あらためて植物に開眼した人もたくさん。




なにも特技がない人こそ



古賀 じゃあ、特に次の3期生になる人たちに対して。メッセージというか。「 これだけは言っておきたい ! 」ってことはありますか?
例えば、おりえちゃんの職場の同僚の人が「 セカアカ気になっているんだけど・・・どうしようかな、すごく迷っている 」って言った時に、「 ぜひ行ったらいいよ。なぜなら・・・ 」みたいな感じで、具体的に。
仲間ができるって言うのは、まずありますよね?

たび そうですね、素晴らしい仲間ができます。ほんとに。セカアカはみなさん仲良いんですけど。
あとは・・・「 私になにができるのかな? 」ってモヤモヤしている気持ちで「 セカアカに行っていいのかな? 」とずっと思ってたりする人に言いたいのは。「 なにも特技がない人こそ行っていい ! 」と、私は思いました。

古賀 それはめちゃめちゃ良いなー。それはめちゃめちゃ良い。俺、いま鳥肌立った。

一同  ( 笑 )

古賀 それだ !

海ドリ 正解 !

たび そういう人たちは。たぶん、セカアカに入ったら、やりたいことがある人が周りにいる環境にいれることも幸せで、応援できるのも幸せで。逆に応援してもらったりとか。自分がなにか気になることを周りに言っていたら、さっきの妄想の話ではないですけど。「 こんなのやってほしい ! 」とか「 こういうのしてみたら? 」って、みんなが、むこうからバンバン言ってきてくれる。

古賀 たしかに・・・むこうから、言ってきてくれる環境になっちゃうんだもんね。

たび 私の活動の中心っぽくなった「 芋煮会 」にしても、私まさか自分がするとは思っていなくて。料理なんて絶対にしたくないくらいに嫌いなのに・・・セカアカで始めて、やっていてすごく楽しくて。

古賀 ああ、俺は、ずっと。「 芋煮会、こういうの・・・セカアカでやるべきでしょう 」と、思っていたけどね。山形にみんなで修学旅行で行って、みんなで食べた時から。だから、やってみたら? って言った。

たび そうなんです。背中押されましたね。いっぱい背中を押されて。私だけじゃなく、たぶんみなさんも。校長はじめ、先生たちもそうですし、生徒同士でも背中を押してくれる。見てて、セカアカで見つかったこと始まったことって、すごくある。ほんと、きっかけがたくさんあって。

※もはやセカアカ2期の定番となった感のあるイヴェント。「 たびとほん 」主催の「 関西でも芋煮会 」。みんなで作って食べる美味しさよ。

※もはやセカアカ2期の定番となった感のあるイヴェント。「 たびとほん 」主催の「 関西でも芋煮会 」。みんなで作って食べる美味しさよ。



古賀 かつ、それを、絶対に、誰も。と、言っていいくらい否定しないもんね。「 やってみたらいいじゃん ! 」って言うし。「 楽しみ、楽しみ 」みたいなね。

たび で、イヴェントにすると、みんな来てくれて。すごい自信になりますね。やっぱり、やったことなかったけど、やっていいんだなって。

古賀 なんかやって、「 イマイチだったよね 」みたいなことって、1回もなかったよね?

たび そうですね。全部楽しくて。

古賀 全部楽しかったよね。たしかに、おりえちゃん Twitter とかでも「 わたしはみなさんのファンなので 」「 みなさんが楽しそうなことをしてくれるだけでしあわせです 」的なことも書いていたよね?

たび 本当にそうなんです。そういう気持ちでいっぱいですね。そこに混ぜてもらえるのがしあわせなことだなあって。

古賀 って( おりえさんに )言ってもらえるのが、みんなしあわせだよね?

一同 うん。そうです !

古賀 でた。しあわせの連鎖。

一同 ( 笑 )

古賀 「 いやいや、私の方がしあわせもらってます 」「 いやいや、私の方がいただいてますから 」って。笑
そういう言い合いが、いいよね。セカアカでは、あるあるな光景なんだけど。
そういう社会だったらいいよね、理想だね。

※「 PAPERSKY 」編集長のルーカス先生のフィールドワーク授業。我々は、日本人なのに知らない日本のことがいっぱいあることを知る。全クラスでの授業で、他クラスの人たちとも一気に仲良くなった日。

※「 PAPERSKY 」編集長のルーカス先生のフィールドワーク授業。我々は、日本人なのに知らない日本のことがいっぱいあることを知る。全クラスでの授業で、他クラスの人たちとも一気に仲良くなった日。




( この鼎談は、後編に続きます ) → → → 後編は、こちらから

※世界文庫アカデミー第 3 期生の、受講申し込み受付けは、2019 年 10 月 2 日(水)〜 2020 年 1 月 13 日(月)。
開講日( 最初の授業日 )は、2020 年 1 月 25 日(土)、26 日(日)となります。
お申し込みの手順は、右の「 学校紹介 」のところを読んでくださいね。


photo : おーらい( セカアカ第2期生 ) 文字起こし協力 : ハクジツム( セカアカ第2期生 )